愛媛県松山市にある道後温泉は、日本最古の温泉地として知られ、3000年以上の歴史を誇ります。
今回は、道後温泉本館を中心に、飛鳥乃湯泉、椿の湯、そしてSNS映えで話題の「ウラ道後」まで、
実際に歩いて感じた魅力をたっぷりとご紹介します。
温泉好きはもちろん、歴史や文化、街歩き、写真映えスポットが好きな方にもおすすめの内容です。

道後温泉の歴史:神話と皇族に彩られた霊湯

👆実際に皇族が道後温泉で寝泊まりしていた部屋

道後温泉の起源は神話の時代にまで遡ります。
『伊予国風土記』には、大国主命が病に倒れた少彦名命を道後の湯で癒したという伝説が残されており、
少彦名命が元気を取り戻して踊ったとされる「玉の石」は、現在も道後温泉本館の北側に奉られています。

また、白鷺が傷を癒したという発見伝説も有名で、道後温泉駅前の放生園には「鷺石」が保存されています。
こうした神話的背景が、道後温泉を単なる湯治場ではなく“霊湯”として人々に愛されてきた理由のひとつです。

歴史的にも、舒明天皇や斉明天皇、中大兄皇子(後の天智天皇)など、皇族の来訪記録が残っており、
聖徳太子もこの地を訪れたと伝えられています。
万葉集や源氏物語にも登場するなど、文学的にも高い評価を受けてきました。

泉質と効能:無加温・無加水の源泉かけ流し

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道後温泉の泉質は「アルカリ性単純泉」。無色透明で肌触りが滑らか、湯上がりはさっぱりとした感覚が特徴です。
リウマチ、神経痛、皮膚病、胃腸病などに効果があるとされ、地元の方々にも長年親しまれています。

特筆すべきは、全国的にも珍しい「無加温・無加水」の源泉かけ流し。
自然のままの湯を楽しめる贅沢さは、温泉好きにはたまらないポイントです。
湯温は42〜51度で、混合して約46度に調整されており、体をじんわりと温めてくれます。

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道後温泉本館:文化財に浸かる贅沢

道後温泉の象徴ともいえる「道後温泉本館」は、1894年(明治27年)に建築された木造三階建ての施設。
国の重要文化財にも指定されており、建物自体が観光スポットです。

館内には「神の湯」「霊の湯」といった浴場があり、
2階には皇室専用の「又新殿(ゆうしんでん)」も設けられています。
屋上の「振鷺閣」には刻太鼓が吊るされており、
朝6時・正午・夕方6時に鳴らされる音は「残したい日本の音風景100選」にも選ばれています。

夜には赤いギヤマンガラスが灯り、幻想的な雰囲気を醸し出します。
まるでタイムスリップしたかのような感覚に包まれながら、湯に浸かるひとときは格別です。

飛鳥乃湯泉:飛鳥時代の雅を現代に

2017年にオープンした「飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」は、道後温泉本館の別館として建てられた最新施設。
飛鳥時代の建築様式をモチーフにした館内は、木材の温もりと雅な装飾が融合した空間です。

浴室は広々としており、露天風呂や家族風呂も完備。特に注目したいのが、
愛媛県内の伝統工芸を取り入れた個室休憩室。砥部焼や伊予絣、大洲和紙などが使われており、
湯上がりに文化を感じる贅沢な時間が過ごせます。

また、館内にはプロジェクションマッピングやアート展示もあり、
温泉と芸術が融合した新しい癒しの形を体験できます。

椿の湯:地元に愛される日常の湯

道後温泉本館のすぐ近くにある「椿の湯」は、観光客だけでなく地元の方々にも親しまれている公衆浴場です。
名前の由来は、万葉集にも詠まれた「椿の森」にちなんでいます。

施設はシンプルながら清潔感があり、料金もリーズナブル。
湯はもちろん源泉かけ流しで、道後温泉の泉質を気軽に楽しめます。
観光の合間にふらっと立ち寄れる、まさに“日常の中の癒し”といえる存在です。

街歩きで出会う道後の魅力

道後温泉は温泉だけでなく、街歩きも楽しめるエリアです。
以下に、実際に訪れて印象的だったスポットをご紹介します。

放生園と坊っちゃんからくり時計

道後温泉駅前にある小公園「放生園」には、足湯や湯釜、そして「坊っちゃんからくり時計」が設置されています。
毎時、夏目漱石の小説『坊っちゃん』の登場人物が現れる仕掛け時計は、観光客に人気の撮影スポットです。

また、からくり時計の隣では無料の足湯を楽しむことができるので、訪れた際はぜひ利用してみてください。

道後商店街

道後温泉本館から駅まで続くL字型の商店街には、土産物店や飲食店が軒を連ねています。
地元の柑橘を使ったスイーツや、愛媛名物の鯛めしなど、グルメも充実。
歩き疲れたら足湯でひと休みするのもおすすめです。

空の散歩道と冠山展望

↑空の散歩道からの景色(中央の建物は道後温泉本館)

道後温泉本館の南にある冠山には、「空の散歩道」という展望遊歩道があります。
道後湯之町を一望できるこの場所は、特に夜景が美しく、幻想的な雰囲気に包まれます。
カップルや写真好きにはぜひ訪れてほしいスポットです。

ウラ道後:ネオレトロな射的屋で映え体験

2023年に誕生した「ウラ道後」は、道後温泉本館の裏手に位置する射的とカフェの複合施設。
天井には100個以上のランタンが吊るされ、ネオンライトが輝く空間は“ネオレトロ”を
コンセプトにしたSNS映えスポットです。

射的は1回500円で8発。
的にはポンジュースの紙パックが並び、すべて倒すと(倒せなくても)ポンジュースがもらえるという愛媛らしい演出。
店内では「道後温泉ぶっ刺しゼリーアイス」やご当地ガチャも楽しめ、湯上がりのクールダウンにもぴったりです。

写真撮影だけの利用はNGですが、射的や買い物をすれば撮影OK。
夜になるとランタンが幻想的に光り、まるで異世界に迷い込んだような雰囲気に。
道後の新定番として、若者やファミリー層に人気急上昇中です。

坊っちゃんの足跡を辿る文学散歩

道後温泉は、夏目漱石の小説『坊っちゃん』の舞台としても知られています。
小説に登場する「坊っちゃん列車」は、現在も道後温泉駅前に展示されており、
夜にはライトアップされて幻想的な雰囲気に。

また、道後温泉本館には「坊っちゃんの間」と呼ばれる展示スペースもあり、漱石ファンにはたまらない空間です。
文学と温泉が融合したこの地ならではの魅力を感じることができます。

宿泊体験:温泉旅館で過ごす贅沢な夜

道後温泉周辺には、歴史ある旅館からモダンなホテルまで多彩な宿泊施設が揃っています。
筆者が宿泊した旅館では、客室は露天風呂なしの和室でしたが、
館内の源泉かけ流しの貸切露天風呂を利用し、夜風を感じながらの湯浴みを満喫しました。

食事も地元の食材をふんだんに使った会席料理で、瀬戸内の海の幸や伊予牛などが並び、
五感で愛媛を堪能できるひとときでした。宿によっては、道後アートプロジェクトと連携した客室もあり、
アートと滞在が融合する新しい旅の形も体験できます。

👇道後プリンスホテル宿泊記の記事はこちらから

まとめ:道後温泉は“癒し”と“映え”と“物語”の宝庫

道後温泉は、ただの温泉地ではありません。
神話から皇族、文学、そして現代アートまで、数々の物語が息づく場所です。
泉質の良さはもちろん、街の情緒や文化的背景、そして新しい映えスポットが旅をより豊かにしてくれます。

歴史に触れ、湯に癒され、街を歩き、映えを楽しみ、物語に浸る——そんな贅沢な時間を過ごせる道後温泉。
次の旅先に迷ったら、ぜひこの“日本最古の温泉地”を訪れてみてください。


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